第二章
「ウルフ、彼らは?」
結局、途中で落っこちてしまい、ルーティは敵の基地云々どころではなくなってしまった。ウルフはふんと鼻を鳴らして。
「見失った」
――恐らく、亜空間に逃げ込んだのだろう。そこに行く術を、ルーティ達は知らない。結局は分からずじまい、か。
「筒抜けだったぜ?」
ウルフの言葉により、ルーティは無線を繋ぎっぱなしにしていたことを思い出した。途端に恥ずかしくなり、頬を赤らめる。
「ルーティ、かっこよかったよ!」
カービィは自分の耳に装着している無線用のイヤホンを指差し、無邪気に笑って。
ますます赤くなり、ルーティは俯く。
「別に恥じることじゃねえだろ」
「だってぇ……」
ウルフはくすっと小さく笑みを溢して。
――だって、ウルフはそういうけど……僕、どっちかっていうと戦うことより、語ることに命懸けてた気がするんだもん。