第二章
パシッ
突如、ルーティの手首は何者かによって掴まれた。ダークリンク共々、宙吊りに。
「んぐぅ……っ!」
「カービィ!?」
駆けつけてくれたのはカービィだった。
両手でルーティの手首を掴み、必死に持ち上げているが、やはり重いのだろう。徐々に高度は下がっていく。
「離せ! てめえも落ちるぞ!」
ダークリンクが叫ぶが、ルーティは離そうとしない。強く握り締めていて。
「離したくないっ……」
震える腕。ルーティは強く瞼を瞑って。
「今、離したら……っ僕も、同じ……綺麗事だけで結局、何も出来ない……人間、に……っだから!」
かっと目を見開き。
「もう誰も、死なせない!」
――自分の発言に違和感を感じた。
しかし、今はそれどころではない。カービィの手が滑り、がくん、と高度が下がる。