第二章
「ルーティ!」
無線から聞こえたウルフの声が、一瞬手放していたルーティの意識を呼び戻した。
「くっ」
真下には森が広がっている。このまま落ちるのは嫌だが、飛べる翼も術もない。
ルーティは共に落ちていく、ダークリンクに手を伸ばし、手首を掴むと引き寄せて。
「何をっ」
「衝撃を和らげる」
そう告げて、ルーティはもう片方の手を真下へ伸ばす。手の先に電気を走らせ、青い円型の稲妻を作り出していく。
「無茶苦茶なことを言うな! そんなの」
「やってもないのに分からないよ!」
ダークリンクは何とか振りほどこうともがくが、ルーティは強く握り締めて。
真下に向かって稲妻を放ち、墜落の速度を緩める。が、電気を使いすぎたのだろう、すぐに稲妻は途切れてしまい。
もう一度放電を試みるも、間に合わない。
――万事休すか。