第二章
――少なくとも、ルーティはマスターとクレイジーがしようとしていることが、正しいとは思えなかった。
「正しくないっ!」
そう言い切って、両手に青い光を宿しては充電していき。やがて、円型の青い稲妻を作り出すと、それを勢いよく放つ。
剣を抜いたダークリンクが構え、薙ぎ払う。赤い三日月型の衝撃波が放たれ、円型の稲妻と衝突、爆発して黒煙が立ち込める。
「ふざけんな!」
不意に黒煙の中からダークリンクが飛び出してきて、ルーティに斬りかかった。
下手に躱せば落ちてしまう。
ルーティは歯を食い縛ると意を決し、突っ込んできたダークリンクの剣を、タイミングよく手のひらで挟み、受け止めて。
「あんたらは……今の世界がそんなに好きかよ! ただの娯楽で人を生かしたり、殺せたりするこの世界が! 権力があるかないかで、人の見る目も変わっちまうこの世界が! そんなに大事かああっ!」