第二章
前方、アーウィンの左翼に乗っていたダークピチューが、黒い稲妻を放ってきた。
ルーティは両手を突き出し、青い稲妻を放っては対抗し。ぶつかり合う稲妻。一瞬でも気を抜けば押し出されて真っ逆さまだ。
「私、しつこい人って嫌いよ!」
「同感だっ!」
そんなやり取りをしながら、両者譲らず。
見兼ねたウルフが、ウルフェンを左に急旋回。バランスを崩してルーティは左翼に手を付いた。黒い稲妻は空に放たれ。
「休めるな! 攻めろ!」
ウルフに怒鳴られ、ルーティは黙って頷くと立ち上がり、再び両手を突き出して。
断続的に青い稲妻を放っていき、あちらのアーウィンは躱すことに夢中になっている。そうすることでウルフェンは徐々にアーウィンとの距離を縮めていき。
「何でよぉっ!」
耐え兼ねたダークピチューは声を上げた。
「マスター様とクレイジー様は正しいのよ! 何で邪魔するのよぉっ!」