第二章



ルーティが言い終えるより先にダークリンクは動き出していたが、それよりも早くウルフは振り向くと、ダークリンクの額に銃口を向けて。

ぴたり、と一瞬ダークリンクの動きが静止したのも束の間、銃は空中に放られ、次いで飛んできたウルフの拳を手のひらで身を屈めつつ受け止め、足払いを仕掛ける。

足を払われ、後方によろめくウルフだったが、咄嗟にバク転の姿勢に切り替えて、転倒を回避して。間髪を容れず、ウルフはダークリンクの目の前に出ると、回し蹴りを食らわせて。

「うっひゃあ……はえー」

間一髪、腰を引いて蹴りを躱すと、ダークリンクは落ちた己の剣を拾いに駆け出し。

ちょうど手元に戻ってきた銃を構え、ウルフは数弾発砲して足止めを試みる。

その隙にルーティは落ちている剣の元へ向かい、柄を力強く蹴り上げて。

「受け取れえっ!」

剣は勢いよくダークリンクの元へ飛んでいく。ダークリンクはぱしっ、と人差し指と中指とで挟み、受け止めて。
 
 
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