第二章



思いの外、ヨッシーはあっさりと答えた。

「"ゼロ"にするんです」

それを聞いたウルフは「ゼロ?」と眉を潜めて。ヨッシーは、ふぅ、と短く息を吐き出すと。

「言うなれば、形はそのままに真新しい状態に戻すということですぅ。その為に、マスターとクレイジーはある“男”を造りましたぁ。……タブーという化け物を」


――タブー?


タブー、ということは即ち禁忌で。きっと、創造神と破壊神を掛け合わせたような、とにかく最強の神であるに違いない。

ルーティは一人で勝手にそう考えていた。

「タブーは切り取られた世界の思い出を食し、エネルギーとして蓄えた後に、特殊な波動を放ち、切り取った世界を“ゼロ”に戻しますぅ。タブーは好物の思い出を食すことで学び、段々と賢くなってきている……皆さん。僕がこうして教えたのは」

ヨッシーの台詞はそこで途切れて。
 
 
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