第二章
「マスターとクレイジーは、諦めてなかったんだね? ヨッシー、彼らが……理想とする世界を創ろうとしてるんだろ?」
ルイージが訊ねると、ヨッシーは頷いて。
――ルーティもウルフもさっぱり分からなかった。“諦めてなかった”という発言から察するに、マリオやルイージは以前、対峙したことがあるということか。
「彼らはまず、この星を空と海と陸だけにするべく、世界各地で亜空爆弾を起爆して回っています」
ヨッシーは近くの木に背中を預けると。
「その爆弾は特殊で、爆風に巻き込まれた世界を傷付けずに円型に切り取り、亜空間という別の空間へ自動的に送り込みます」
ぐっと己の左肩を強く掴んで。
「そうして空と海と陸だけになったら、マスターとクレイジーはその上に人や物を新しく造るそうですよ。今はまだ、切り取るだけの段階ですけどねぇ」
ヨッシーがそこまで説明したところで、それまで黙っていたウルフが、問いかけるように呟いた。
「……世界を切り取り、その上に新たな人や物を作る……か。……それは、つまり」
ウルフはヨッシーを見遣って。