第二章



「マスターとクレイジーは、諦めてなかったんだね? ヨッシー、彼らが……理想とする世界を創ろうとしてるんだろ?」

ルイージが訊ねると、ヨッシーは頷いて。


――ルーティもウルフもさっぱり分からなかった。“諦めてなかった”という発言から察するに、マリオやルイージは以前、対峙したことがあるということか。


「彼らはまず、この星を空と海と陸だけにするべく、世界各地で亜空爆弾を起爆して回っています」

ヨッシーは近くの木に背中を預けると。

「その爆弾は特殊で、爆風に巻き込まれた世界を傷付けずに円型に切り取り、亜空間という別の空間へ自動的に送り込みます」

ぐっと己の左肩を強く掴んで。

「そうして空と海と陸だけになったら、マスターとクレイジーはその上に人や物を新しく造るそうですよ。今はまだ、切り取るだけの段階ですけどねぇ」

ヨッシーがそこまで説明したところで、それまで黙っていたウルフが、問いかけるように呟いた。

「……世界を切り取り、その上に新たな人や物を作る……か。……それは、つまり」

ウルフはヨッシーを見遣って。
 
 
18/35ページ
スキ