Smash Brothers!~禁忌の覚醒~



◆プロローグ



「兄さん、揃ったよ」

赤髪の少年は扉を開くと、兄さんと呼んだ青髪の少年の元へ歩み寄った。

青髪の少年はというと、大きな円柱の筒の中で、緑色の怪しげな液体に浸されている紫色の髪の少年を前に、研究資料らしき紙を片手に佇んでいる。

赤髪の少年が隣に並ぶと、押し黙っていた青髪の少年はようやく口を開いた。

「早かったんだな」
「うん。絶対に入隊拒否するかと思っていたのに……ま、戦士の性ってヤツ?」

くすっ、と赤髪の少年は笑みを溢す。

一方の青髪の少年も、表情こそ変えないものの内心ほくそ笑んでいた。


――今、全ての駒が手の内にある。


「後はこいつ次第だな」

ふう、と短く息を吐いて青髪の少年は筒の中の紫色の髪の少年を見遣った。

紫色の髪の少年……全裸な上、コードのようなものを身体中の至るところに繋がれていて、今はまだ、眠っている。

「十年だ。十年もかかった……もうすぐ、俺達の望んだ世界が手に入る」

二人の少年は共に顔を見合わせて、ニヤリと口角を吊り上げた。


そして、物語の幕は切って落とされる――
 
 
 
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