第二章



ああは言われたものの、未だにルーティは不安そうに俯いてはエックス邸の周りを気分転換にうろうろとしていた。

他のメンバーは緊急事態に備えてエックス邸内に待機したり、庭でトレーニングをしたり、遊んだり。気ままで羨ましい……ルーティは深い溜め息を洩らして。

「おい」

ルーティがエックス邸のちょうど裏側の壁に寄りかかり、一人で何となくぼけっとしていると、ウルフが現れた。

何か手に持っている。

「リーダーになったんだろうが。無線がねえと困るだろ。指示も出せやしねえ」

と、差し出されたのは小型の無線機。

苦笑混じりに「ありがと」と礼を言っては、ルーティはその小型無線機を装着して。

ウルフはふんと鼻を鳴らすと、隣に並んで壁に背を預ける。

ジャケットのポケットから煙草を取り出し、口に銜えてはライターで火を点けて。
 
 
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