第二章
「ウルフ」
この手のことには興味が無いのか、思った通り、ウルフは集団から少し離れた場所で腕を組んで立っていた。
ルーティはウルフの元へ駆け寄って。
「俺様は降りるぜ」
「えっ」
代表になってくれ、とルーティが頼むよりも先に、ウルフは断った。
「楽じゃねえのは百も招致だからな。てめえが代表になればいい」
――そういえば、ウルフはスターウルフとかってチームのリーダーだっけ。
ルーティは小さく溜め息を洩らすと、フォックスの元へ。……まあ、まだ人数はいるのだから、ルーティがリーダーになる確率はまだ低い。そう思っていたのに。
「あっ」
ルーティは小さく声を洩らした。
手には、細長く捩った、先が赤く染まっているティッシュ。それはリーダーになれる資格、即ち“当たり”を示していて。