第二章
「そういえば」
ふと、ルーティはサラダ全体をフォークでぐりぐりと弄びながら。
「二人はどうしてX部隊に入ったの?」
一瞬、カービィは目を伏せた。しかし、ルーティが気付くよりも早く、ピットは「そうだなぁ」と空を眺めながら呟いて。
「ボク、天使なんだけどさ」
「知ってる」
ルーティとカービィは声を揃えた。
「あはは……、天使の癖に、パルテナ様の力を借りないと空もまともに飛べなくて。誰かの力無しでは、結局は何も出来なかったというか……うーん」
いつの間にか食べる手は止まり、ピットはテーブルの上で頬杖をつきながら。
「最初は思いつきだったんだ。そうだ、地上界で戦士になろうって! でも、それでその気になったんだよね。単純だから」
ピットはくすっと小さく笑みを溢して。
「翼があっても、あるだけじゃ飛べない。同じように、戦士がいても、戦わなけりゃ守れない。それが分かるようになってから、いつの間にか、戦士になった理由が“守りたいから”ってことになってたんだ」
ピットはふぅ、と短く息を吐き出して。
「天界から見ていた景色が大好きだった。だから守りたいんだ。……それだけ」