第二章
ルーティの疑問も幾つか解消された。
あの日、ダークシャドウにX部隊メンバーを潰すように命令を下した人物の正体。
――マスターハンド。別名、創造神。
今から十四年前、ある一件で特殊防衛部隊と対峙し、敗北。もう一人の男、クレイジーハンドと共に忽然と姿を消した。
クレイジーハンドは、マスターハンドの左目、左腕を犠牲にして造り上げられた、別名、破壊神として恐れられている男。
その二人が、今回、亜空軍とやらを結成させて、何かを企んでいるらしいのだ。ダークシャドウは恐らく、計画を阻止されない為に造られた、言わば防壁だろう。
となると、政府はマスターハンドと深い関わりを持っているに違いない。
実際、ダークシャドウは性格を除いて、能力がX部隊メンバーと瓜二つだ。能力データを政府が受け渡したか、或いは……
とにかく、警戒するべきはマスターハンドとクレイジーハンド。彼らがいつ、何処から仕掛けてくるか分からないのだから――