第二章
◆第二章『それぞれの想い』
「ガードが緩い! ぼけっとするな!」
早朝。エックス邸前の庭で、ルーティはウルフから直々に稽古を受けていた。
ルーティは毎回、弾丸のように突っ込んでいくのでガードが薄い。弾かれたらそれまでという欠点を補う為に、ウルフがこうして相手をしているのだが。
「っう、く……!」
決して甘くはなかった。
隙があれば打ち込まれ、攻撃を仕掛けたところで弾かれる。まるでチートだ。
……あれから一週間。
ルーティも、X部隊メンバーの顔と名前を何とか覚えて、打ち解けてきていた。
しかし、不思議なことにX部隊メンバーが数人、足りないらしいのだ。あの時、飛行機に乗り遅れたわけでも、未だに迷っているわけでもなさそうなのだが。