第一章



「――てな感じなんだけど」

ウルフの隣を歩きながら、ルーティは今回、自分が抱いた疑問を全て話した。


政府が今回の敵と関わっている可能性。

ダークピカチュウとマスターの正体。

一部のメンバーが隠そうとしている秘密。


しかし、ウルフは相変わらず素っ気なく。

「俺様に言うことか」

と呟き、ぷいと顔を背けて。しかし、ルーティはめげずにウルフの服の裾を掴むと。

「当たり前じゃん。パートナーなんだし」

そう言って、照れ臭そうに笑う。


そうこうしている内に、X部隊メンバーは拠点となる寮、エックス邸に辿り着いた。

寮というより、豪邸。政府も太っ腹なんだな、とルーティは内心感心して。

門を抜けて、エックス邸内部への入り口までがまた遠い。庭は踏み固められた地面でまるでグラウンド、稽古が出来そうだ。
 
 
41/42ページ
スキ