エピローグ
ルーティは相変わらず、墓石と向き合っていた。すると、立ち上がって。
「僕、父さんみたいな立派な戦士になる」
手を後ろで組んでは指を絡ませながら。
「ちょっと大変だけど……大丈夫だよ。僕には大切な仲間がいるんだもん。だから」
ひと呼吸置いて、墓石に笑いかける。
「心配しないでね」
最後に、墓石に優しく口付けた。
そうして暫く墓石を見つめた後、ルーティは振り返り。そこで初めてルピリアに気付き、「母さん!」と駆け寄って。
ルーティは勢いよくルピリアに抱きつき、擦り寄る。ルピリアはその様子にくすくすと笑いながら、優しく頭を撫でて。
「ルーティったら。……お帰りなさい」
「うん。ただいま」
ルーティはルピリアから離れると、気付いたようにウルフの腕を掴み、引き寄せては抱きついて。ルピリアは小首を傾げる。
「あのね、母さん。この人が――」
「保護者だ」
「パートナーでしょ!」
微笑ましい二人のやり取りを目の前に、ルピリアは青く晴れ渡った空を見上げて。
――向日葵畑に優しい風が吹き抜ける。眩しい太陽が世界を照らし、平和を告げる。
そんな世界を守りたいから。いつまでも、そうであってほしいと願っているから。
今日も、戦士達は戦うのだろう。
大切な、仲間と共に。
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