第一章
ウルフェンがエアポートに降り立って間もなく、アーウィンと飛行機はやって来た。
ルーティは左翼の上から下りると、続いてコックピットを開いて中から出てきたウルフの後ろに隠れて。――初、顔合わせだ。緊張するのも無理もない。
「で、出会い頭に殴られたらどうしよう」
「んな奴がいるかよ」
「じゃあウルフは何だったのさ」
ルーティがツッコミを入れると、ウルフはぷいと顔を背けてしまい。……狡い。
暫くして、降り立ったそれぞれのアーウィンからはフォックスとファルコが、飛行機からはぞろぞろと戦士達が下りてきた。
「あ、影の薄い人! あっちはバナナ大好きな人! 見て! あれ大王様だよ!」
ウルフの服の裾を掴んでは隠れながら、有名な戦士を目にする度に瞳をきらきらと輝かせ、声を上げるルーティ。
「名前で言え。俺様が分からないだろ」
的確なツッコミを入れるウルフ。
……端から見れば、パートナー云々というより、微笑ましい兄弟である。