第一章
「ファルコ、ウルフ、聞こえるか?」
続いて聞こえてきたのはフォックスの声。
「此方フォックス、飛行機に乗っているX部隊メンバーの無事を確認した。詳しい話はレイアーゼに着き次第、説明する」
フォックスはそれだけ伝えると、無線を切ってしまった。多分また、飛行機周辺の護衛についているのだろう。
ファルコもそうするつもりなのか、飛行機が飛んでいる方向へと飛び去ってしまった。ウルフはふんと鼻を鳴らして、レイアーゼへとウルフェンを飛ばして。
「でも、ウルフ」
ルーティは疲れたのか左翼の上に腰掛けて休憩をしながら、口を開いて。
「マスターって……誰なんだろうね?」
――天空大都市、レイアーゼ。
数ある都市の中で最も文化が発展しており、この星の拠点とも言われている。
もちろん、天空大都市とだけあってだだっ広いし、街は特殊な機械に乗せられて飛んでいるのではなく、島が掘り起こされて宙に浮いているような……イメージとしてはそんな感じだ。