エピローグ



スピカを起点に、周りの皆も次々と「お帰り」「お帰りなさい」と迎えて。

ルーティは嬉しそうに肩を竦めて笑い、先程フォックスに渡されたガーベラを両手に持って胸に添えながら、無邪気な笑顔で。

「ありがとう、皆っ」

ふと、ガーベラに気付いたゼルダが。

「その花は誰からですの?」

彼女の質問にはルーティが答えるよりも先にフォックスが笑っては答えた。

「ウルフからだよ。お見舞いの」

一瞬にして注目の的になり、ウルフは近くに停めてあったウルフェンの元へ、逃げるように早足で向かう。

ゼルダは意外に思いながらも、ルーティに歩み寄ると、ガーベラの花びらに触れて。

「ガーベラの花言葉は希望、なんですよ。きっと、凄く想われてますのね」


――そういや、病室に飾ってあった花瓶にもガーベラが差してあったな。

あれは僕のお見舞いにくる度に、ウルフが新しい花に差し替えていたのか……
 
 
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