エピローグ
「にぃにとどっちが高いかなぁ?」
するとピチカはスピカの背中を押して、無理矢理ルーティの隣に並ばせる。
「ちょっ」
「ルーティの方が……高いかもしれない」
シフォンが二人の背を見比べてはそう告げると、スピカはショックを受けたのか硬直して。ルーティは顔を覗き込み。
「……スピ」
「べっつに悔しくないもんね! 男は身長が伸びる時期が遅いんだぞ!」
声をかけようとしたその時、スピカは咄嗟に離れて距離を取ると、勢いよくルーティを指差して負け惜しみ。
その様子がおかしくて、ルーティはくすくすと笑って。釣られて周りも笑いだし、ピチカはスピカの肩を叩いて励ます。
「牛乳、飲もうね」
「うっ……あ、飲めばいいんだろ!」
妹の頼みとあらば聞き入れないわけにもいかず、スピカは頬を赤らめて俯いた。
そして顔を上げると、ルーティを見つめ。
「忘れるとこだった。……その」
ぷいと顔を背けては小さな声で。
「お、……お帰り」