エピローグ
一方、此方は病院の外。
「おにぃ!」
いきなり飛び付かれる展開はあらゆる場面で慣れてしまったので、ルーティはひょいとピチカを躱して。――が、しかし。
「おりゃあ!」
今度はピチカは後ろから抱きついた。
さすがにこれは予想外で、「うわあ!」と声を上げたルーティは前に倒れて。
「会いたかったよぉぉぉ!」
ルーティが倒れても尚、背中に擦り寄るピチカだったが、スピカは猫を扱うかのように首後ろの襟を掴み、引き離す。
地面に強く打ち付けた額を摩りながら、ルーティは立ち上がると苦笑いして。
「あら」
サムスはルーティの姿を見ると。
「少し大きくなったんじゃない?」
――確かに、ルーティは眠っていた二ヶ月の間に顔立ちだけは変わらずとも、少しだけ背が伸びたように思えた。
何より、伸びた襟足を首後ろで括っているその姿は、父親のラディスそっくりで。