エピローグ



「管内では五分前行動が原則だ」

扉の前でぴたりと立ち止まった司令官は、リンクとマリオを振り向くと。

「よって、あの時計は五分早い」

司令官は、顎で壁に掛けられた時計を差して。リンクとマリオは顔を見合わせ、「じゃあ!」と期待の眼差しを向けると。

「好きにしたまえ」

ふんと鼻で笑って、司令官は解散届の用紙を後ろに放っては部屋を後にした。秘書らしき男は、慌ててその後を追いかけて。

リンクとマリオは思わず、手を交差するように叩いて、喜びを分かち合う。

「えっ、どうしたの? 二人共っ」

音や声だけでは何が何やら分からず、ルーティは困惑して。リンクは微笑を浮かべ、無線にイヤホンを繋げてはマイクで話す。

「聞こえますか? 皆さん」

溌剌とした声音で。

「X部隊の解散は撤回。これより、我らがリーダーを迎えに行きましょう!」
 
 
10/27ページ
スキ