エピローグ
ルーティは今一度、伸びた髪に触れて。
「……どれくらい寝てたの?」
「今日でちょうど二ヶ月だ」
ウルフは即答した。
成る程、だから髪が伸びていたのか。ルーティはうんうんと頷いては「そっかぁ」と笑顔で返したが、遅れて驚愕して。
「二ヶ月ぅ!?」
しかし、ここは仮にも病室。
他の患者に怒鳴り込まれるのだけは避けたいので、ウルフは睨みを利かせて。
「っ……そ、そうだったんだ」
ルーティは俯いて、苦笑を浮かべる。
――ボルテッカーでタブーに突撃して、それからの記憶が全く無い。何か夢も見たような気がするけど、もう覚えてないや。
「そういえば」
ルーティはふと顔を上げると。
「皆は、元気?」
あれは壮絶な戦いだった。
誰もが怪我を負ったはず……ルーティにとっては世界云々より、X部隊のメンバーが無事かどうかの方が気掛かりだったのだ。