エピローグ



「ルーティ!」

そう呼んだと同時にフォックスは駆け出し、ルーティに勢いよく抱きついた。

しかもぽろぽろと涙を溢しているのだから、気付いたルーティは慌てふためきながらフォックスの両肩の上に手を置いて。

「ちょっ、え……わわっ、落ち着いて!」

しかし、フォックスはルーティが目覚めたことに酷く安堵したのか、引き離されそうになろうが構わず、抱き締めている。

見兼ねたウルフが溜め息混じりに歩み寄ってきて、フォックスの首後ろの襟を鷲掴み、無理矢理引き剥がす。

「う、っく、ルー……ティィィ……」

引き剥がされても尚、涙を溢しながら名残惜しそうに手を伸ばすフォックス。

その様子に、ルーティは小首を傾げて。

「そ、そんなに泣くこと?」

日を増すごとに心配性になっているような気がして、ルーティは苦笑を溢す。すると、ウルフはもう一度溜め息を洩らして。

「てめえ、どれくらい寝てたと思う?」
 
 
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