最終章
すると、不意にタブーの体からそれぞれ青色と赤色の球体が飛び出し、少し離れた場所で弾けると人の形に変化して。
「く……っ」
その正体はマスターとクレイジーだった。
今回、世界創造計画の為に単なる小道具として生み出したタブーに取り込まれ、挙げ句、計画は失敗に終わった二人。
マスターはまだ少しふらつきながらもクレイジーの元へ駆け寄ると、身を案じて。
「クレイジー……大丈夫か?」
「ん……っ兄さん……タブーは……」
マスターは倒れていたクレイジーの左手を掴んでは引っ張り起こし、立たせるとフォックスらに視線を向けて。
察したクレイジーは俯き、終始黙っていた。マスターはルーティを見つめて。
「……大した餓鬼だ」
ぽつり、と呟く。
――ほんの数ヶ月前に戦った時は、上手く戦えずにどちらかといえば防戦一方だった彼が。成る程、勝因は父親譲りの根気強さか。つまらないほど似ているな。