最終章
「ルー! 冗談だろ!? 目を覚ませ!」
スピカは起こしたいその一心で、ルーティの頬を酷く叩いては揺さぶり。
しかし、ルーティは一向に目覚めない。
その頃、倒れていた他の者も目覚めては体を起こし、事態に気付いたフォックスが傷口を押さえながら駆け寄って。
「フォックス! 動いちゃ駄目だよ!」
フォックスに気付いたピチカが声を上げるが、フォックスはそんなこと気にも留めずにルーティの傍らに跪くと。
「ルー……ティ……?」
呆然とその名を呼びながら、フォックスはルーティの少し腫れた頬を優しく撫でる。
そして悔しそうに歯を食い縛り、その場に両膝と両手を付いては項垂れる。
――また、失ったのか。
「畜生っ……!」
どうしようもない怒りが沸き上がってきて、フォックスは何度も拳で地面を殴る。
「俺は……また……」
――守れなかった。
「ちくしょおぉおおお!」