最終章
「っ……う……」
小さく呻き声を洩らし、のっそりと上体を起こしたのはスピカである。辺りを見回し、その惨状に呆然として。
「終わっ……たの……?」
目を覚まし、声を洩らしたのは近くに倒れていたピチカである。スピカはすぐさま立ち上がってはふらつきながらもピチカに駆け寄り、傍らで跪いては抱き起こして。
「多分、な……」
二人は改めて、辺りを見回してはその惨状に眉を顰め、見入っていて。
その時、ピチカははっとスピカを見遣り。
「おにぃはっ……!?」
二人は共に立ち上がると、だいぶ離れた場所で横たわっているルーティの姿を見つけ、駆け寄った。スピカは傍らに跪き、ルーティを抱き起こす。まずは揺さぶって。
「ルー!」
スピカはそう呼ぶが、返事が無い。
見れば、ルーティの体は傷だらけで、全てが切り傷な上に出血も少なくはない。
最悪の事態が二人の脳裏を過る。