第一章
「お前のパートナーだな」
ダークウルフが操縦する側のウルフェンの先端に立ち、未だダークファルコの乗ったアーウィンの背後を取ったままのウルフに、ダークピカチュウは話しかける。
ウルフは答えなかった。
ルーティの位置からでは見えにくいが、本当にただ押し黙ったまま、睨み付けて。
「……まずはそこの二人を解放しろ」
ダークピカチュウは勝手に話を進めた。
すると、ファルコとウルフは思いの外あっさりと、ほぼ同時にダークフォックスとダークファルコの元を離れて。
ダークフォックスとダークファルコの乗ったアーウィンはその場を離れ、ダークウルフの乗ったウルフェンの背後に移動する。
「行きな」
ダークピカチュウは短く息を吐き出し振り向くと、そうルーティに告げた。