最終章
「躊躇うな!」
不意にウルフの声が聞こえたかと思うと、ルーティの隣をウルフが走っていて。
稲妻を纏っているというのにウルフはルーティの手を掴み、引っ張るように駆け出す。放たれていくタブーの斬撃を、一緒になって上手く躱しながら。
「でもっ!」
ルーティは悔しそうに顔を歪めて、己の体を纏う青い稲妻を見て、言い放つ。
「変わらないんだ、さっきから! 色が! 僕には……ボルテッカーが……」
すると、ウルフはルーティの手を握って。
「てめえなら出来る!」
「でもっ」
「馬鹿野郎! 俺様を信じろ!」
ウルフは声を張り上げる。
「パートナーだろうが!」