最終章
ルーティは初めはゆっくりと、タブーの周りを広く円を描くように駆け出した。
青い稲妻を全身に纏わせたまま維持して、徐々に速度を上げていく。その時、ルーティの腕や頬に小さな切り傷が出来て。
「い……っ……」
それは、誰かに傷つけられたからではなく、稲妻を体の表面に纏っては維持させていたのが原因で。リスクを直に感じ取り、ルーティはごくりと息を呑む。
「ルーティ!」
その時、タブーの放った水色の三日月型の斬撃が飛んできて、気付いたカービィが声を上げた。しかし立ち止まるわけにはいかず、ルーティは目を閉じかけて。
「くっ」
すると斬撃はぴたりと静止して、ルーティは衝突を免れて。斬撃をお得意の超能力で止めたのは案の定、ユウである。
残り体力も少ない彼だが、両手を突き出しては斬撃を静止させたまま、声を上げた。
「走れ! ルーティ!」