最終章



「……るよ」

ぽつりとフォックスは呟いた。

「信じるよ。だから……行ってこい」

今にも溢れそうな、目尻に溜まったルーティの涙を親指で掬ってやりながら、フォックスはそう告げては上体を起こして。

「その代わり」

フォックスはふらりと立ち上がると。

「勝って、必ずここに戻ってこい!」

そう言い放ち、タブーの注意を逸らすべくフォックスはファルコと共に駆け出す。

「ルー」
「おにぃ」

ルーティが立ち上がろうとしたその時、口々にそう呼んでは両側にそれぞれスピカとピチカがやって来て、跪くとルーティの両肩におもむろに手を添え、瞼を瞑り。

何をするのだろうとルーティが目を見張っていると、間もなくスピカとピチカの手に電気が走り、ルーティの体に流れていき。

「え……っ」

微弱の電気を少しずつ流し込んでくるので、その電気はルーティの体に充電されていき。ルーティは目を丸くして。
 
 
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