最終章
「さっきから……うるさいよ!」
タブーは小さく笑みを溢して、追い討ちをかけるようにもう一発、赤紫色の衝撃波を放ってはバリアを破壊した。
破壊された瞬間、咄嗟にフォックスはルーティを抱き締めて庇い、地面に倒れて。
「フォックス!」
衝撃波を回避することが出来たのはルーティだけで、他は皆、地に伏していた。
ルーティはフォックスを急いで抱き起こすと、目尻に涙を溜めて。するとフォックスは手を伸ばし、ルーティの頬に触れると。
「っ……ラディス、そっくりだな」
フォックスは微笑を浮かべ、呟いて。
――年を重ねるごとにルーティが父親に似てきたと、彼の母親であるルピリアが心配の電話をかけてきたこともあった。
だけど、それは決して悪いことではなく。
「フォックス……」
ルーティは心配そうに顔を覗き込んで。