最終章



――フォックス。俺の、最後の頼みだ。


あの日、長かった戦いが終わったあの時、地面に倒れていたラディスは告げた。


――息子を……ルーティを、守ってやってくれないか? あいつは、あいつだけは。

それ以上言うなよラディス。仲間だろ? 俺が、俺達が絶対に守ってやるから。

――はは、情けない最後だなぁ。

馬鹿。今のお前は最高にかっこいいぞ?

――そう、か……よかっ……た……


なあ、ラディス。俺が神様だったら、生き返らせてやれたのになあ……ごめんな。


俺はいつだって、無力だった。


「ルーティ、お前は……俺が、守るって」

あの日誓った約束を。

フォックスは守る為だけに、今日まで生きて戦ってきた。その想いはもちろん、ルーティにもしっかりと届いていた。

だからこそ、ルーティは言葉を失い、ただじっとフォックスの背中を見つめていて。
 
 
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