最終章
その時、フォックスの声に気付いたタブーがゆらりと此方に体を向けて。翼をゆっくりと羽ばたかせ空へと舞い上がって。
「皆っ、避けてー!」
地面に倒れていたナナが危険を察知し、叫んだ。空中で静止したタブーの体に徐々に赤紫色の光が集まっていき、そして。
衝撃波が波紋状に、放たれる。
「まずいっ」
仲間が咄嗟に躱していく中、ルーティは突然の出来事に思わず棒立ちになり。
フォックスとファルコは咄嗟にルーティの前に出ると、ベルトに備え付けられた小型装置に触れて、青いバリアを発生させる。
早くもバリアはひび割れるが、何とか衝撃波を防ぎ、ギリギリと押し合っていて。
「ルーティ……お前だけは、死なせない」
フォックスは必死に踏ん張りながら、絞り出したような辛そうな声で告げて。
「そうやってまた僕を庇う! 僕は戦士なんだよ!? ただの子供じゃないんだ!」
ルーティは咄嗟に言い返す。しかし、フォックスは苦笑混じりに首を横に振って。
「約束……したんだ。俺は、ラディスと」