最終章
「出来んのかよ、それ」
しかし、今日のファルコは珍しく弱気だった。自分の仕掛けた攻撃を殆ど躱されてしまったことによる、自信消失か。
すると、何やら人だかりが出来始めていることに気付いたウルフが歩み寄ってきて。
「俺様があいつの翼をズタズタに引き裂いてやろうか。鉛玉だけじゃ心許ないだろ」
それを聞いたファルコは、頬に青筋を浮かべながらウルフの胸ぐらを掴んで。
「へっ、上等じゃねえか。しっかり狙ってからぶち込んでやるよ」
戦いの最中だというのに、ここだけは空気が和やかだ。ルーティがくすくすと笑みを溢していると、ふと、フォックスは。
「ところで、その一瞬で誰がどうするんだ? ドンキーやワリオが殴って終わり?」
力のある代表的な二人をフォックスは挙げたが、それはそれで嫌だと誰もが考えて。
すると、ルーティは。
「……僕が」
真剣な表情に変わり、ぽつりと告げる。
「僕が、タブーを倒す」