最終章
タブーはルーティの足を掴むと、振り回し、投げ飛ばしたのだ。咄嗟にリオンがルーティを抱き止めて、身を案じる。
「嘘……っ今、絶対に入ってたのに」
ルーティがぽつりと呟くと。
「あれでは駄目だ。タブーは、攻撃を食らう直前に魔法で見えないクッションを作り、ダメージを軽減している。魔力の発信源は間違いなくあの翼だが……厄介だな」
リオンはタブーが背中に広げている翼を目にしては、短く息を吐き出して。
「攻撃を与えても修復スピードが異常に早い。魔力の塊だからな。あれを捕らえるのは至難の技だぞ、どうするんだ?」
つまり、あの翼を捕らえればタブーは完全に無防備。後は一瞬、ほんの一瞬だけ彼の動きを封じることが出来たなら。
「出来ますよ」
すると、先程から話を聞いていたらしいゼルダが歩み寄り、ルーティを見つめて。