最終章
「うあっ!」
案の定、衝撃波を防ぎきれずに弾かれ、吹き飛ばされるルーティ。しかし、他に衝撃波で吹き飛ばされた仲間と違って、何とかダメージを軽減することが出来た。
ルーティが地面に跪き、息を弾ませていると近くで倒れていたスピカが体を起こし。
「っく……、化け物だなあいつ」
スピカは口端を伝う鮮血を手の甲で拭うと、苦笑を浮かべてぽつりと呟き。
見ればまた、立ち上がった何人かがタブーに攻撃を仕掛けている。が、全く隙がなく、ダメージを与えることさえ敵わずに。
「もしも一瞬でもあいつの動きを止めれて、でかいのを一発本体にぶち込んだら、どうにかなりそうなんだけどさ……」
スピカの言葉に、ルーティはどうしてそんな発想に至ったのかと小首を傾げて。
「なんで?」
するとスピカは前髪を掻き上げながら。
「ほら、翼は庇わないのに体は庇って……食らったら後退するか、切り返す。多分、あいつ自身は貧弱なんだよ」