最終章



タブーは辺りを見回すようにその場でくるりと一回転すると、ルーティを見つめ、後退しながら口端に人差し指を添えながら。

「ああいえばこういう、ってのかな。いつも、マスターとクレイジーはきみのことをはなしていた。だから、あんしんして」

手を後ろで組んでは翼を大きく広げて。

「ぼくはきみがほしい。だから、ころさない……きみのなかみをぜんぶたべて、からっぽになったらぼくだけをおしえてあげる。ふふ、きっととってもすてきだよ?」

無邪気に笑っては肩を竦めるが、言ってることは本当にとんでもない。

タブーは翼を羽ばたかせ、空へ舞い上がる。ニヤリと口角を吊り上げ、怪しく笑うと薄紫色の光を体に宿して。

「だから、ぼくにかたせてよ。きみとぼくとで、すばらしいせかいをつくろう?」

そう告げて、紫色の衝撃波を全体に放つ。

するとルーティは立ち上がり、両手を突き出して青い稲妻を放った。あんな衝撃波に敵うはずはない――それでも。
 
 
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