最終章
「どうして、さからうの?」
タブーが小首を傾げたまま念力でルーティの体を持ち上げていると、密かに体を起こしたフォックスが駆け出してきた。
しかし、タブーが横目でフォックスを睨み付けただけで見えない波動がフォックスを吹き飛ばし、タブーは微笑を浮かべて。
「だっ……て」
ルーティは上手く力が入らずにぐったりとしたまま、苦笑混じりに。
「負けたく……っない……守りたい……もん……皆が、残してきてくれたもの……」
ルーティが咳き込むと、タブーは笑って。
「せっかく、すばらしいけいかくなのに」
マスター、クレイジーの目的。
亜空爆弾で世界を切り取り、タブーの能力で切り取った世界の思い出を喰わせ、“ゼロ”、即ち空っぽにして切り取った世界を真新しいパーツに変えるというもの。
新品同様の世界というパーツを、空と海と陸という土台だけになったこの星、フレイアムの上で組み立てて、理想の世界を造り上げる……それが、世界創造計画。
だけど。
「素晴らしく……なんかっ、ない……!」