最終章
「あいつまた!」
異変に気付いたスピカが声を上げた。
――見ればタブーの体を、早くも薄紫色の光が包み込み始めているのだ。
ルーティ達が前に見た時は、次に打ち出すまで暫く時間がかかったというのに。
「ルー!」
「分かってるよ!」
先程の衝撃波を食らって動けない者もいるのに、もう一度打ち出させるわけにはいかない……スピカとルーティは片手を突き出し、援護するように勢いよく雷を放った。
スピカの放った雷はタブーの右翼を、ルーティの放った雷はタブーの左翼を貫き、タブーは両腕で己を庇うように構えて。
「させないデスよ」
次にタブーが顔を上げると、飛び上がったゲムヲが影で作り出した真っ黒で巨大なトンカチでタブーの頭を殴り付けた。
続いて懐に潜り込んだロボットが顎を拳で殴り付け、腹目掛けて回し蹴り。