最終章
「やったか!?」
ネロは思わず声を上げたが、立ち込める黒煙の中からタブーは飛び出してきて。
先程の爆発で蔓の鞭も鎖も千切れてしまったのだ。咄嗟にローナが駆け出し、殴りかかるもタブーは右に躱して。
シフォンは蔓の鞭で足下を払おうとしたが、タブーはスキップをするかのように軽く跳ねながら詰め寄る。構えるシフォン。
「……え」
しかしタブーは素通りすると、続いて立ち塞がるネロの回し蹴りを片手で促しては横切り、その先にいたレッドの元へ。
「レッド!」
ローナ、シフォン、ネロの三人は思わず揃って声を上げて。すると、今までレッドの後ろに隠れていたネスとリュカが現れ、向かってくるタブーを指差し。
「PKサンダー!」
ネスとリュカの二人が揃ってそう声を上げると、それぞれの指先に青い光の玉が作り出され、それは電気を帯びながらレッドの正面で混ざり合って一つの大きな球体へと変貌すると、タブー目掛けて放たれて。