第一章
「でも!」
フォックスを見捨てる訳にはいかない。
何故なら、ダークフォックスがフォックスの乗っているアーウィンを墜落させようと、追尾していたからだ。
フォックスはダークフォックスを引き離そうと必死だし、ファルコは助けようにもダークファルコに邪魔されてしまっている。
「このままじゃ!」
ルーティが声を上げるが、ウルフはただ押し黙って、ウルフェンを飛ばしている。
――その時、ウルフェンの真下をフォックスが乗ったアーウィンが潜り抜けた。
続いて、ダークフォックスの乗ったアーウィンが向かってくる。ルーティはぺた、とコックピットに片手を添えて、
「ウルフ。……僕が飛び降りたら、宙返りして後ろの敵の背後を取って」
そう静かに告げた。
「ルーティ!」
次の瞬間、ルーティは飛び降りて――