最終章
◆最終章『絆の奇跡』
真っ白な扉の向こうには、青紫色の世界が広がっていた。地面は透明で、何処までも続いていて穴なんてものは存在しない。
その世界の中心には、一人の男が立ち尽くしていた。その男は気付き、振り返ると。
「……よく、これたね」
その声には聞き覚えがあった。
しかし、容姿が違う。その男は確かに赤と青のオッドアイだが、髪の色は薄い水色だし、青紫のメッシュが一本、入っていて。
身長だって高いし、大人びているのだ。
「どうしたの?」
その男は不思議そうに小首を傾げる。
ルーティは一度振り向いては全員が扉を抜け、その扉が消えてしまったことを確認すると、正面に向き直り、一歩踏み出して。
「君は……」
するとその男は肩を竦めては小さく笑みを溢して、手を後ろで組みながら答えた。
「わすれたの? ぼくだよ……ルーティ」