第八章
「昼の空に星が見えないのと同じことか」
ウルフはそう呟くと、ふんと鼻で笑ってはその扉に歩み寄って。ルーティは瞼を瞑ったまま集中しているダークシャドウを気にしつつ、ウルフの隣へ駆け寄る。
「……リーダー、そこにいるのですか?」
X部隊のメンバーが続々と扉の近くへ集まる中、スピカは一人、気にしてダークウルフの元を離れられずにいた。
「お前らは……戦わないのかよ」
スピカは別に怒っているわけでもないのに、妙に刺々しい言い方になってしまい。
ダークウルフは苦笑を浮かべて。
「是非、ご一緒させていただきたいものですが、ここを離れれば扉はまた消えてしまう。残念ですが、俺達はここに残ります」
スピカは小さく溜め息を洩らすと、ダークウルフに背を向けて歩き出した。
「リーダー」
ふとダークウルフが呼び止めて、スピカは立ち止まり、振り返る。
「必ず、勝ってください。貴方のパートナーとして、信じて待っています」
すると、スピカはぷいと顔を背けて。
「ばーか。勝つに決まってんじゃん」
そしてルーティの元へ駆け寄ると共に顔を見合わせては頷き、X部隊共々、真っ白な扉の向こうへゆっくりと歩き出す。
いよいよ、最終決戦へ――