第八章
その疑問に答えようと前に出たのはダークファルコだった。小さく笑みを溢して。
「リーダーがあの状態では、従わない他ありませんからね。最後まで欺き通す為に……ほら、よく言うでしょう?」
ダークファルコは人差し指を立てると。
「敵を欺くにはまず味方から、ってね」
――確かに、そうしなければ本当にマスターやクレイジーにバレて、唯一の希望さえ絶たれてしまったのかもしれない。
あの扉の向こうからの脱出は、彼らの助けがあってからこそなのだから。
「ぜってえ殺す」
「まあまあ」
頬に青筋を浮かべ、袖を捲り上げては殴りかかろうとするファルコを、フォックスは苦笑混じりに静止させて。
……とはいえ、欺く為に本気で攻撃を仕掛けられたのだ。怒るのも無理もない。
「この戦いが終わったら存分にどうぞ」
ダークファルコはにこやかに告げる。全く、比べれば比べるほど似ていない。