第八章
リンクはその場にいた全員から視線を注がれると、手を下ろしては咳払いをして。
「俺が思うに、スピカさんとダークシャドウの方々はタブーにより、俺達との記憶を抹消されたと思うんですよ」
そう告げて、腕を組むと瞼を閉じて。
「まあ、スピカさんが記憶を取り戻したということは、“ゼロ”にしたというよりは封じ込めただけといいましょうか」
すっと瞼を開くと。
「でも、おかしくないですか? スピカさんはユウの超能力のお陰で、記憶を取り戻したんですよ? なのに」
まるで探偵が推理をするかのように、リンクはダークリンクを勢いよく指差して。
「さっき、彼は此方と戦わない理由云々と口にした。スピカさんと違って、記憶障害による頭痛なども見られませんし……」
リンクは短く息を吐き出して。
「何で、記憶を失ったふりを?」