第八章
物凄い気迫ではあるが、ある疑問を抱いてルーティは軽く片手を挙げると。
「つっつまりスピカは……自分はまだダークシャドウのリーダーを辞めないから、休戦協定続行だこのやろーって仰いたいと」
スピカは腕を組んではふんと鼻を鳴らし。
「そうだ!」
ルーティは隣に立っていたウルフと顔を見合わせると、小さく溜め息を洩らして。
「結局、どっちの味方なの?」
するとスピカはうっと言葉を詰まらせて、だらだらと冷や汗を垂らしながら。
「どっ」
徐々に頬は赤らんでいき、気まずそうに目を逸らしてはぽつりと小さな声で。
「……どっちもだ」
堂々の浮気宣言。
その場が静まり返ったことに気付くと、途端にスピカは声を張り上げて。
「かかかっ勘違いするなよ! 俺はピチカがいるからX部隊の味方で、だだだっダークシャドウのリーダーなのは……みっ皆が……家族みたいで……」
そして俯き、再びぽつりと小さな声で。
「好きだから、で……だから、仕方なく」