第八章
それを聞いたダークウルフは、改めて再会を果たしたスピカとピチカを眺めて、安心したように顔を綻ばせた。
一件落着かと思いきや、ダークリンクはおもむろに鞘から剣を抜き、鼻で笑うと。
「そうかよ。じゃあ」
突然、リンクに斬りかかったのだ。
咄嗟に鞘から剣を抜いたリンクは、ダークリンクの振り下ろした剣を受け止めて。
「何をするんですか!」
すると、ダークリンクは不適な笑みを浮かべ、一旦後退すると剣先を向けながら。
「俺達はダークシャドウだぜ? そいつが記憶を取り戻し、ダークピカチュウ……即ち此方のリーダーでなくなった以上、あんたらと戦わない理由も無くなったはず」
――確かに、ダークリンクの言う通りだ。
彼らダークシャドウは今まで、リーダーとして慕ってきたスピカを傷付けない為、X部隊との戦いを出来る限り避けてきた。
記憶を取り戻した今、スピカがダークシャドウのリーダーとして残る理由はない。
それは休戦協定の撤回を意味する。