第一章
「しつこいですね」
ダークファルコはぽつりと呟いた。
そして、己のアーウィンを宙返りさせたのだ。ファルコの乗っているアーウィンの後ろに回り込み、がら空きの背中に青いレーザーを撃ち込む。
「ファルコ!」
「っあの馬鹿、出てくんな!」
危険を顧みず、フォックスは放たれたレーザーからファルコを守る為、間に飛び込んだ。刹那、フォックスの乗っているアーウィンの右翼は破壊されてしまい。
フォックスは無事だが、次にレーザーを撃ち込まれたら危険すぎる。
「ウルフ!」
怒濤の空中戦の一部始終を見守っていたルーティは、フォックスの危機を察知して急いで名を呼んだ。しかし、ウルフは。
「てめえは後ろに集中しろ!」
確かに、少年は絶え間無く漆黒の稲妻を放っている。塞ぐのに手一杯だ。
――でも、このままじゃフォックスが……