第一章



ちなみに、X部隊とはこの星自体の拠点でもある天空大都市レイアーゼを守るためだけに結成された、特殊防衛部隊である。

ルーティのように、見た目が平凡な少年もいるが、赤帽の髭だとか、緑の剣士だとか、そんな有名人もたくさん入隊するのだ。

選考試験も簡単では無かっただろうに。ルーティは物凄く運が良かったと思われる。


「あっ、おにぃ!」

着替えを終えて部屋を飛び出すルーティ。

階段を駆け下りると、玄関先にはピチカとそのパートナー、リムの姿が。

どうやら起こしに来てくれたらしい。

「パートナーの人、待たせちゃ悪いわよ」
「分かってる!」

リムがくすくすと笑いながら急かすと、ルーティはリビングに飛び込んで、テーブルの上に用意されていた朝食のトーストを手に取り、口に銜えて玄関へ。

「こら、ルーティ!」

声を上げるはルーティの母、ルピリア。

しかし、今はゆっくりと朝食を取っている暇は無い。ルーティはピチカとリムを放置したまま勢いよく扉を開けると。

「ひっへひはふ!」

そう告げて、外へと飛び出した。
 
 
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